ルリイトトンボの大量羽化風景

2003年8月17日 むつ市恐山:宇曽利湖畔


今年初めての恐山。ようやくやって来ました♪
山門を通って小道を歩くと、イソツツジの白い花がまだ残っていました。



今回の観察地点です。最初はA地点、賽の河原(湖岸の砂浜)を通って岬のB地点へ。
次いで駐車場にもどり、帰路の途中C、D地点を観察した。


A地点

いつも来るA地点に近づくと、早速ルリイトトンボが迎えてくれた。今年も羽化したんだね〜。
A地点に入るとルリイトがますます増え、おお、例年通りだと一安心。
ふと、下を見ると草に羽化殻が。それに羽化したばかりのルリイトが・・・。


そこで、草の根方を見ると、あるわあるわ たくさんの抜け殻が!(左)
丈の短い草の中をのぞくと、羽化したばかりのルリイトがいっぱい(右)


羽化殻やルリイトトンボの見つかった、湖岸の水辺に近い草むらの様子。
昨年あれほど探したのに見つからなかった羽化殻が大量に見つかった。


交尾個体も見つけた(少ない)。羽化したばかりで休憩中のトンボ。



羽化したばかりのルリイトトンボ



波打ち際の様子。この澄んだ水の中からヤゴが陸に上がり、草の位置まではって歩いたことになる。
帰る途中に、土管から温泉が湧き出ている所があった(右)


賽の河原の途中に硫黄分が溜まっている場所があった。A地点を振り返った景色。
このように宇曽利山湖は強い酸性だが、その湖水でルリイトトンボやシオカラトンボの
ヤゴが育っていることは、生理的な耐酸性機能を獲得しているのかもしれない。
ここに生息するウグイはその機能を持っている。



B地点

浜から左折して帰ろうとしたら、遠くに緑の樹と草が見えたので、気になって足を向けた。
A地点とは異なる樹木(シャクナゲやナラの樹)と浜に茂る葦やフトイ。


さらに進むとなんとルリイトトンボが現れた。それも尋常な数じゃない。
ルリイトトンボがたくさん止まっていたフトイの茂み。





たくさんのルリイトトンボ
画像クリック



フトイに止まる交尾個体と羽化殻。



C地点

湖から流れ出る三途の川(正津川)にかかる太鼓橋と恐山の建物の方向。


橋のたもとの草むらと見つけたルリイトトンボ♂。数は多くない。



D地点

湖の東側に通じる道の入口付近の湖岸の様子。葦が茂っている。


ここでも葦の茎に羽化殻を見つけ、ルリイトも飛んでいた。C地点より多い。
近くの野原で咲いていたネジバナが可憐だった。


2004年7月10日 むつ市恐山・宇曽利湖畔


昆虫仲間の五十嵐氏と一緒にやって来た。前回死後経過したサラサヤンマを採集したが、
新鮮な個体を撮りたくて、柳の下の二匹目のドジョウを期待したわけだ。
いつもの場所に行く途中の浜で、五十嵐氏がネットを曳いたら、たくさんのルリイトトンボのヤゴが
採集された。シオカラトンボも混じっている。この日は波があるためか、ルリイトのヤゴの半数は死んでいた。
写真は火山性のゴツゴツした岩礁・岩・石が見られる浜の風景。手前の石にヤゴが這い上がっていた。




砂浜にごろんと転がっていた石にルリイトトンボのヤゴが羽化のために這い上がっていた。上と同じ石。
一番は殻から抜け出したばかりの個体。翅が伸びていない。二番は翅が伸びた状態の個体。
三番は翅も体もしっかりして、飛び出す直前の個体。




少し歩くと岩礁が多くなり、水面から1mもある高いところでも羽化していた。





岩の壁にたくさんの羽化殻があった。





写真を撮っている間にも、次々ヤゴが登って来た。中央の黒っぽいヤゴは羽化場所を探して
歩き回っている個体。草や木に登って羽化する風景を見慣れた私には、岩に這い上がって羽化する
風景にはびっくりした。ヤゴはたくましい。




羽化の途中の個体。