オオルリボシヤンマの悲劇


三沢市:仏沼内の池
2003年9月11日


このドラマの舞台となった農道そばの池。オオルリボシヤンマやギンヤンマが
悠然と飛んでいる。

ふと水際を見ると、なにやら情けなさそうな
顔のヤンマが・・・。 11時41分
よく見ると尻尾に何かがくっついている。
ドジョウが食いつく訳ないし・・・。11時43分

翅をばたつかせて動き回るが、離れない
長い生きものだ。 11時43分
白い腹を見せた。こりゃ水生昆虫だな。
11時45分

大慌てに水面を歩き・逃げ回るトンボ。
11時45分
長い生き物も体をくねらせて離れない。
11時46分


ついに全身を見せた大きな水生昆虫。ゲンゴロウの幼虫だ!
大顎で喰らいついている。こりゃ痛そうだ。  11時46分


このたくましい大顎を見よ。
ゲンゴロウ恐るべし。 11時46分
画像クリックで拡大
草を登っても離れない。この執念。
11時48分


飛ぼうとしても飛べず、振り回しても離れず。ヤンマ危うし。  11時50分


横から見たゲンゴロウの幼虫。
11時52分
精根尽き果て、よろよろと倒れかかる
ヤンマ。静かになってしまった。11時52分

昼食の後来てみたら、トンボは水面に
浮かび、ゲンゴロウは腹に喰らい
ついていた。ついに斃れたか。12時58分
頭の方に回るゲンゴロウ。トンボは
翅を動かす元気もない。13時00分

胸の下に喰らいついた。 13時00分
と、その時、仲間が止まって
「おい、どうした」  13時13分
画像クリックで拡大

なんと仲間の死を横目に産卵を始めた。
13時13分
盛んに腹の方を攻撃していて、
さざ波が立つ。 13時14分

まだゲンゴロウがうろうろしていた。
 13時25分
トンボを撮って戻るとゲンゴロウはいない。
ススキの茎で引き寄せ、腹を上にして
撮った悲劇の女主人公。 13時44分
きっと産卵中に喰いつかれたのでしょう。
不思議なことに体には喰われた跡がなかった。

家に帰って調べたら、「ゲンゴロウ類の幼虫は、大あごの内側を通っている溝から
獲物の体内に消化液を送り、獲物をどろどろにして、その肉汁を別の溝から
口の中に吸い込む」とあった(水辺の昆虫・今森光彦著、山と渓谷社)
道理で体に喰い跡がないわけだ。暴れていたときには消化液が注入されていたのだ。