自然のわなにかかったトンボたち


むつ市恐山:宇曽利湖畔

2003年9月23日


まず、この写真を見てください。これはいつもの場所(賽の河原から入った湖岸))にある
浅い池の水面で死んでいるトンボです。シオカラトンボが多い。
黒く写っているのは繁茂している藻のため。落ち葉や昆虫の死骸がある。
この風景を見るたびに、何故トンボが集まって死んでるんだろうと、不思議に思っていた。


このような池がここには三つほど点在している。写真は二番目の池。


この池は一番手前にあり、広い。
この池は三番目(奥)



今日も池の水面にはトンボの死骸があったが、ふと見るとキラッと光ったトンボがいる。


光っていたのはトンボの複眼だった。取り上げてみると、まだ撮っていない
エゾトンボ科のトンボだ。なんと、まだ生きている!
汚れを落とし、左手でつまんで、右手でカメラを持って撮ったエゾトンボ♀。

なにげなく、脚に付いていた藻を取ってしまったが、この藻が曲者であることを
後になって気がついた。トンボはこの藻にからまって、身動きがとれなくなり
死んでいったのだ。産卵などで水面に降りた時に、脚の棘に藻がからみ、びっくりして
騒げばますます藻がからむという進行であったろうと想像した。それなら、死因は餓死かな。


水面にへばりついて死んでいる
シオカラトンボ。
そうっと持ち上げたら、案の定、
脚に藻がついてきた。


もやもやした藻の中のアキアカネ。
取り上げたら、これもまだ生きていた。


屈強なオオルリボシヤンマでさえ
この通り。池の周りでヤンマが飛び
産卵行動する個体もあった。
死んで日が経ったせいか、
胴が垂れて、情けない姿に。


わなにかかっているのは、トンボだけじゃない。いろいろな昆虫が・・・。
左は蛾で、右は羽の形からトビケラの仲間かな?


2003年10月21日

わなに掛かった昆虫を撮った池の風景。イソツツジも一部紅葉していた。

二番目の池で見つけた わなにかかったルリボシヤンマ。新鮮だったので
手でつかんだらまだ生きていた。左手で持ってパチリ。脚に藻が付いている。


一番奥の池で見つけたルリボシヤンマ
(左)とオオルリボシヤンマ(右)。
オオルリボシはひっくり返っている。
周りではオス二頭が飛び回っていた。
最初の池で見つけた死んで間もない
ルリボシヤンマ。今回のわなに
掛かったトンボは
ほとんどがルリボシヤンマ類だった。


池の水面にはトンボの外に色んな昆虫が
見られた。この虫はまだ生きていて
あちこちで見られた。ハチの一種です。
枯葉の上にいた虫。ミノウスバという
蛾です。ウスバシロチョウのように
翅に鱗粉のない種だ。



2004年7月4日


たったいま藻に止まり動けなくなったシオカラトンボ。
脚はまだ立っていて、体が水面(藻面)から離れています。




トンボを手でつかんで持ち上げたら簡単に藻が切れてしまった。
そこで、藻が絡む様子を知ろうと、トンボの脚を藻につけて、ゆっくり持ち上げたらこの通り
藻が絡まってきた。






体が太くて馬力のあるヨツボシトンボもこの通り。三頭並んで盛んにもがいていた。
2004年7月4日 むつ市恐山・宇曽利湖畔





2004年7月10日


いつもの場所に到着して、さっそくどんなトンボが藻に掛かっているか見て回ったが、
残念ながらサラサヤンマは見当たらなかった。写真は藻に掛かって間もない新鮮なルリイトトンボ。




藻に脚をとられたばかりのシオカラトンボが見つかった。


2004年8月4日


藻のわなにかかったヨツボシトンボ。珍しく翅を下にして暴れていた。





指で摘んで上げたら、翅にびっしり藻がからんでいて、周りの藻が一緒に上がってきた。
これじゃ逃げられない。藻のワナ恐るべし。